自分の理想の街を作りたい。これは人類普遍の欲望だ。通勤しやすい街、緑が多い街、猫カフェが多い街。誰しも一度は「自分が市長だったらこうするのに」と考えたことがあるはずだ。
しかし現実はそう甘くない。首長になるには選挙に勝たねばならず、そのためには地元有力者への挨拶回り、政党への根回し、そして街頭演説で有権者に頭を下げ続ける必要がある。当選したところで待っているのは議会対応、予算編成、住民からの苦情対応という地獄のような日々。理想の街づくりどころではない。
その点、ゲームなら話は別だ。ゲームの世界なら好き勝手に街づくりを楽しむことができる。議会は存在しないか、存在しても無視できる。住民の苦情を無視してもいい。これほど素晴らしい街づくり体験がこの世にあるだろうか。
今回は、そんな街づくりゲームから10作品を厳選して紹介する。王道の都市開発から、極寒サバイバル、さらには生き物の背中に街を作る異色のゲームまで、幅広く取り揃えた。さあ、あなたも今日から架空世界の支配者だ。
Cities: Skylines

街づくりゲームといえばこれ。現代都市開発シミュレーションの決定版で、道路を引き、区画を設定し、水道・電気・ゴミ処理などのインフラを整備していく。
SimCityの正統進化系として2015年に登場し、今なお街づくりゲームの王者として君臨している。特筆すべきは豊富なMODで、現実の都市を再現したり、とんでもない渋滞を発生させたりと、遊び方は無限大。
交通システムが複雑で、一本の道路の引き方を間違えるだけで街全体が大渋滞に陥る様子は、まさに都市計画の難しさを実感させてくれる。
ゲーマーなら一度は触れておきたい、街づくりゲームの教科書的存在だ。
| PC | 3,990円 → 1,197円 (70%オフ) | 購入ページ(Steam store) |
| Switch | 5,184円 | 購入ページ(Nintendo Store) |
| PS5 | 5,390円 | 購入ページ(PS Store) |
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Anno 1800

産業革命期の19世紀を舞台にした、歴史シミュレーション×街づくりの傑作。
蒸気船、鉄道、工場が登場する激動の時代を体験できる。
ただ街を作るだけでなく、複雑な生産チェーンを構築し、旧世界と新世界を行き来する交易ルートを確立し、ライバル勢力と外交・戦争を繰り広げる必要がある。
ビールを作るには大麦が必要で、大麦を作るには農場が必要で、農場を動かすには労働者が必要で…という緻密な経済システムが脳を刺激する。
住民の階級が上がるほど要求も複雑になり、最終的にはラム酒や毛皮のコートを求めてくる。
美しいビクトリア朝の街並みを眺めているだけで時間が溶ける、歴史好き・経済シミュ好きなら確実にハマる一作。
| PC | 7,920円 → 1,980円 (75%オフ) | 購入ページ(Steam store) |
| PS5 | 5,280円 | 購入ページ(PS Store) |
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Tropico 6(トロピコ6)

カリブ海の独裁者となって南国の島国を統治する、独裁者シミュレーターの最新作。
プレイヤーは「プレジデンテ」として君臨し、国民を幸せにするも搾取するも自由。
選挙で不正を働き、反対派を投獄し、スイス銀行に私腹を肥やすこともできる。
もちろん真っ当に国を発展させることも可能だが、それでは面白くない。
ブラックジョーク満載のシナリオと、陽気なラテン音楽が最高にマッチしており、独裁者なのに妙に愛嬌がある。
街づくりゲームでありながら政治シミュレーションでもある、異色の一作だ。
| PC | 4,998円 → 1,749円 (65%オフ) | 購入ページ(Steam store) |
| Switch | 価格情報なし | 購入ページ(Nintendo Store) |
| PS5 | 7,450円 | 購入ページ(PS Store) |
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Factorio

「これは街づくりゲームなのか?」と疑問に思うかもしれないが、工場は街だ。
異星に不時着したプレイヤーが、資源を採掘し、生産ラインを構築し、最終的にはロケットを作って脱出を目指す。
ベルトコンベアで資源を運び、組立機で部品を作り、それらを組み合わせてより高度な製品を生み出していく様子は、もはや巨大な工業都市そのもの。
序盤は手作業で資源を掘り、中盤には自動化された生産ラインが稼働し、終盤には画面いっぱいに広がる複雑な工業地帯が完成する。
効率を追求すればするほど、さらなる最適化の余地が見えてくる悪魔的なゲームデザイン。
効率化と最適化に情熱を注げる人間にとっては、これ以上ない体験が待っている。
| PC | 価格情報なし | 購入ページ(Steam store) |
| Switch | 価格情報なし | 購入ページ(Nintendo Store) |
フロストパンク2

極寒の終末世界で人類最後の都市を運営する、サバイバル街づくりゲーム。
前作の30年後が舞台で、石炭から石油へのエネルギー転換という大きなテーマを抱えながら、市民の派閥対立、資源不足、そして容赦ない吹雪と戦うことになる。
このゲームの特徴は「正解がない」こと。
どの選択をしても誰かが不幸になり、誰かが死に、そして市民はあなたを恨む。
独裁的な法律を通せば効率は上がるが、市民の支持は失われる。
民主的に運営すれば決定が遅れ、都市は凍える。
絶望的な状況下で「誰を生かし、誰を見捨てるか」を迫られる、精神的にハードな一作。
現実世界の暖かさに感謝する心を思い出させてくれる。
| PC | 価格情報なし | 購入ページ(Steam store) |
| PS5 | 5,170円 | 購入ページ(PS Store) |
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RimWorld

SF版『街づくりサバイバル』なコロニー経営シミュレーション。
不時着した宇宙船の生存者たちが、未開の惑星で入植地を築いていく…という設定だが、実際には「いかに全滅を回避するか」を考えながらのコロニー経営が求められる。
襲撃、病気、火災、精神崩壊、人食い、臓器密売など、あらゆる不幸がコロニーを襲う。
入植者一人一人に性格や特技があり、人間関係もドラマチックに展開する。
恋人ができたと思ったら振られて精神崩壊、といったことが日常茶飯事に発生する。
DLC「Odyssey」を導入すると宇宙船グラブシップで惑星を探索できるようになり、コロニー経営の幅がさらに広がる。
| PC | 価格情報なし | 購入ページ(Steam store) |
Against the Storm

街づくりとローグライクを組み合わせた、異色の作品。
プレイヤーは嵐に飲まれた世界で、短期間で入植地を建設し、女王の命令をこなし、次の入植地へ移動する…というサイクルを繰り返す。
一回のプレイは30分~1時間程度で、成功しても失敗してもまた新しい入植地を作り直す。
毎回マップや資源、住民の種族が変わるため、同じ戦略が通用しない。
ビーバー、トカゲ人間、ハーピーなど多様な種族が登場し、それぞれ得意な仕事や好みの食べ物が異なる。
じっくり腰を据えて巨大都市を作るタイプではなく、短時間でサクサク遊べる街づくりゲームを求めている人に最適。一回だけのつもりが、気づけば朝になっている。
| PC | 価格情報なし | 購入ページ(Steam store) |
| Switch | 価格情報なし | 購入ページ(Nintendo Store) |
| PS5 | 3,960円 | 購入ページ(PS Store) |
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The Wandering Village ~さまよえる村

巨大生物オンブの背中に村を作る、という斬新な設定の街づくりゲーム。
オンブは勝手に歩き回るため、プレイヤーはその背中という限られたスペースで資源を管理し、住民を養わなければならない。
しかもオンブ自身も生き物なので、餌をやったり、毒性の胞子から守ったりと世話が必要。
オンブが病気になると村全体が危機に陥る。
共生関係を築くのか、それともオンブを利用するだけの関係にするのか、プレイヤーの選択次第。
グラフィックは温かみのある手描き風で、設定の奇抜さとは裏腹に優しい雰囲気が漂う。
「街づくりゲームに飽きた」「何か変わったことがしたい」という人にはうってつけの一作だ。
『The Wandering Village ~さまよえる村』紹介記事はこちら!
| PC | 価格情報なし | 購入ページ(Steam store) |
| PS5 | 3,410円 | 購入ページ(PS Store) |
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Songs of Syx

小さな入植地から帝国へと成長させる、超大規模ファンタジー街づくりシミュレーション。
最大3万人の住民を抱える都市を建設し、複数の村や町を統治し、さらには最大4万人規模の戦闘まで指揮する壮大なスケールが特徴。
住民一人一人が個別にシミュレートされており、彼らは勝手に生活し、働き、恋をし、死んでいく。
プレイヤーは食料生産、軍事、外交、宗教、そして奴隷制や貴族システムまでを統括する。
小さな出来事が連鎖して帝国全体を崩壊に導く複雑な因果関係が再現されている。
ドット絵グラフィックはレトロだが、システムの複雑さと奥深さは街づくりゲームの域を超えている。
じっくり腰を据えて大文明を築きたい、壮大なスケールの街づくりを体験したい人向けの作品だ。
| PC | 価格情報なし | 購入ページ(Steam store) |
Town to City

19世紀地中海の田舎町を、美しい都市へと発展させていく街づくりゲーム。
完全グリッドレスの配置システムで、建物や木、花壇まで自由にレイアウトできる。
ボクセルアートで描かれた街並みは温かみがあり、眺めているだけで癒される。
住民一人一人に名前と個性があり、彼らが新しい家族を作ったり、仕事に就いたりする様子を見守るのが楽しい。
ストーリーモードとサンドボックスモードがあり、自分のペースでのんびり街を作れる。リラックスしながら美しい街を作りたい人には特におすすめ。
2025年9月リリースのアーリーアクセスながら、Steamで圧倒的好評を獲得している注目作だ。
| PC | 価格情報なし | 購入ページ(Steam store) |
まとめ
街づくりゲームと一口に言っても、その幅は驚くほど広い。現代都市から交易都市、独裁国家、極寒サバイバル、宇宙コロニー、果ては生き物の背中まで。共通しているのは「自分の理想を形にできる」という快感だ。
現実世界で市長になるには、選挙資金、地盤、看板、そして運が必要だ。しかしゲームの世界なら、クレジットカードさえあれば今すぐ街づくりを始められる。議会対応も予算審議も不要。失敗しても何度でもやり直せる。セーブデータは決して裏切らない。
どの世界の支配者になるかは、あなた次第だ。そして、そこに住む人々を幸せにするか不幸にするかもあなた次第。
さあ、今日からあなただけの街づくりを始めよう。



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